楽天市場で新たな動き。友の会発足と送料一律化見直し検討へ
こんにちは!
現在楽天スーパーSALEの真っ最中ですが、
送料の一律無料化に対し公正取引委員会が
東京地裁に停止を命じるよう申し立てるなど
日々何かと話題になっている楽天市場で連日新たな動きがありました。
3/5 「楽天市場出店者 友の会」設立準備委員会発足
楽天ユニオンの声が必ずしも店舗全ての声ではないとして
「出店店舗経営者と楽天・三木谷浩史社長や楽天経営陣が
EC業界の将来展望などを忌憚なく話し合うことで、
楽天市場をユーザーにとってより満足度の高いサービスに進化させていくこと」
を目的に【楽天市場出店者 友の会】の設立準備委員会が発足されました。
この「楽天市場出店者 友の会」は送料無料化に対して
他の大手通販事業に対抗する上で止むを得ない施策として考えており、
「楽天が立場の弱い店舗を搾取しているというネガティブな報道が蔓延し
結果的に楽天のイメージが悪化しバリューが下がっていることに出店者全員が危惧している」
と考えを発表しました。
また発足に伴い、三木谷氏に対し2つのことを主張しています。
まず1つ目が【送料無料化の延期】
現在世界中で流行している新型コロナウイルスの影響で
物流にも大きな影響が出始めています。
これにより送料無料化の期日として発表されていた
3月18日には対応しきれないと述べ、
送料無料化自体に反対はしないものの、
無料化の体制がすぐに取れる店舗から始めるなどの対応を主張しました。
2つ目が【店舗へのサポート】
送料無料化によって店舗の負担になることは紛れもない事実。
全てを店舗が負担するのではなく、
楽天側も痛みを分かち合う姿勢を見せてほしいと主張しました。
「楽天市場出店者 友の会」の今後の動きとして
「これまでもコミュニケーションはとってきたが
お互いに腹を割って話してきたかと言えばそうでない部分もあり、
今後は対話を増やし、どうやったらお客様に
もっと買い物を楽しんでもらえるかを楽天と一緒に考えていきたい」
とのこと。
現地店で102店舗が賛同しており、
年内に5000店舗の加盟を目指しすそうです。
3/6 送料の一律無料化、見直し検討へ
送料の一律無料化について一度計画を見直す方向で検討していることが判明しました。
本来の計画通りであれば今月の18日から
出店者は一律で3,980円以上の場合は送料が無料になる予定でしたが、
「送料込みライン」に対応できない店舗は専用フォームから事前申請を行えば
対象店舗から外す処置をとることとなりました。
一部報道では事実上の延期とも報じられています。
今回の対応をとった背景として、
新型コロナウイルスの感染拡大で出店者が対応に追われていることや、
一部店舗の反発を考慮したと主張しています。
また送料込みラインを導入したことにより利益が下がった場合、
導入から2~3ヵ月程度、利益額や配送差額分を楽天が負担する
「安心サポートプログラム」も開始されます。
そもそもAmazonと楽天で何が違う?
楽天がライバル視しているAmazonですが、
Amazonでは「2000円以上の商品購入で送料無料」となっています。
ではAmazonは以前から一律の送料無料化が認められている、かつ楽天よりも低いのに、
楽天だけが停止命令がでるなどの差がでたのはなぜでしょうか?
決してAmazonが優遇されているというわけではありません。
送料無料の仕組みが違う
そもそも今回公正取引委員会が立ち入り調査を行う要因となった1つとして
4000筆以上の反対に対する署名があり、
出展企業との摩擦が強いと考えられます。
また緊急停止命令を東京地方裁判所に申し立てをした理由として、
予定通りに実施されれば公正な競争が侵害されると危惧したからです。
つまり、Amazonではそのような危険を感じさせない
仕組みづくりがされているということになります。
Amazonでは送料や在庫の保管代はAmazonが負担しています。
物流と倉庫をAmazonが取りまとめている代わりに、
フルフィルメント手数料を出店者に課しています。
一方で楽天では、倉庫と物流は出展企業が自分で契約を行うスタイルです。
自身で管理する代わりに、手数料と行った料金は支払わずに済んでいます。
これだけではあまり差がないように見えますが、
Amazonは在庫のコストを大幅に削減し
宅配業者とも大口での契約となっているので、
個別での契約よりも安く済ませることが可能です。
商品の梱包やカスタマーサービスもあり、
手数料はどこに送っても一律404円、
また使った時に使った分だけの請求となるため
月額の固定費のような縛りがないのも魅力となっています。
今回反対の声を集める要因となったのは
店舗の負担が大きいということが一番に言えますが、
無理に送料無料を進めるのではなくまずは仕組み作りから始めなくては
最終的にAmazonに対抗するどころか、
Yahoo!や新参のau Wowma!などに取って代わられる可能性が高いでしょう。